老いの一筆

Fair is foul, and foul is fair – Macbeth Act 1 SceneⅠ・・・きれいはきたない、きたないはきれい

千夜一夜物語 第五百七十四夜

ドン・キホーテが面白いので、千夜一夜が遅れがちになっている。

何年か前に通しで読んでいるため、新鮮味でドン・キホーテに負ける。

今日は、徒然草にでも出てきそうな文に出会った。

大場正史訳を丹念に書き(叩き)写すことにした。

それだけの価値があるからだ。


最後の部分。

かつてここで食っていた人々もまた食われてしまった。誰に食われたかというと、wormにである。

原文は過去形である。この対句を目にした者への過去からの警告である。きちんと日本語にしたい。

これはどうか。

「食らいし者も食らわれり、地の蛆虫に食らわれり」


・・・・・


THE CITY OF BRASS

couplets

“Consider thou, O man, what these places to thee showed * And be upon thy guard ere thou travel the same road:
And prepare thee good provision some day may serve thy turn * For each dweller in the house needs must yede wi’ those who yode
Consider how this people their palaces adorned * And in dust have been pledged for the seed of acts they sowed
They built but their building availed them not, and hoards * Nor saved their lives nor day of Destiny forslowed:
How often did they hope for what things were undecreed. * And passed unto their tombs before Hope the bounty showed
And from high and awful state all a sudden they were sent * To the straitness of the grave and oh! base is their abode:
Then came to them a Crier after burial and cried, * What booted thrones or crowns or the gold to you bestowed:
Where now are gone the faces hid by curtain and by veil, * Whose charms were told in proverbs, those beauties à-la-mode?
The tombs aloud reply to the questioners and cry, * ‘Death’s canker and decay those rosy cheeks corrode’’
Long time they ate and drank, but their joyaunce had a term, * And the eater eke was eaten, and was eaten by the worm.”


対句

思え、汝(なんじ)ら、この土地の
汝(なれ)に示しぬことどもを、
同じ道をばたどるまえ
深く心を用うべし。
いざ、よき糧(かて)をととのえよ、
やがては役立つことあらん。
仮の住まいに住める人、
逝(ゆ)きし故人の道をふみ、
滅びるものと知れよかし。
思え、人々いかばかり
玉の宮居を飾りしか、
播(ま)きては植えし功罪の
種も埋(う)もれぬ塵の中。
営々として築きたる
館(やかた)もついに益はなし、
積みし宝も命をば
救う能わず、宿命の
定めし日をも延ばしえじ。
あわれ、しばしば世の人は
定めなきものこいねがい、
願いかなわぬそのうちに
奥津城(おくつき)目ざして去りゆきぬ。
高く尊き位より、
所も狭き墓穴の
低き住まいに落とされぬ。
葬い終わりてふれ人(びと)は
やがて訪れ、叫ぶよう、
玉座(みくら)に王冠、黄金は
いかなるものを汝に与えし?
帳(とばり)や面紗(ヴェイル)に隠されし
佳人はいずこへ去りにしや?
世にも名高き手弱女(たおやめ)の
色香はいずこへ失せにしや?
墓所は答えん、高らかに、
「ばらの頬とて朽ちはてん、
破滅のわざわい見舞いなば!」
久しくくらい飲めばとて、
快楽(けらく)にかぎりあるものぞ、
くらいし者もやがてまた
地の虫けらに食わるべし。
(大場正史訳)


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