老いの一筆

昔、銭湯で年寄り連が湯船につかりながら、政治談義に花を咲かせていました。今は、私がその年寄り。世事・世相を飾り気なしに語り合う伝統を銭湯ならぬネットで守り続けたいと思います。

老後は心配無用 その一 年金暮らし

  年金暮らしは確定申告をしなければならない。宮仕えの時は、天引きを兼ねて、総務か経理がすべて代わりにやってくれた。残った分が銀行振込となったから、天引きの内訳を詳しく知ろうという気にはならなかった。

  都会の年金暮らしの場合はどうなっているのかわからないが、ここ私の住んでいる島は、役場がわざわざ島に来てくれ会社の総務を代行してくれている。すなわち、収入と支出の証明書をまとめて指定の日に持っていけば、すべて計算してくれるのだ。

  隠居する時はしっかり六十歳からの年金額を確かめたが、当たり前になってきてからは、3月に行われる確定申告しか、自分の年金額を見る機会はない。

  私の年金額は夫婦それぞれ受け取るとして宮城の生活保護基準とほぼ同額である。生活保護世帯が健康保険税の免除や、他にいろいろな特典が与えられているのに対し、私の場合は、それがない。それほど、私の収入は低いと断っておく。

  昔はやったフォーク・ソング“七つの水仙”の通りだから、貸しマンションの家賃は入ってこない。「ぜひとも"カミさんから尊敬される十の秘訣”で一冊の本を」と私に声を掛けてくれたおおらかな出版社が一社もなかったので、印税もない。アワビやウニを採って漁協に持っていけば、現金収入になるが、高校、大学と通っても、採り方は教わらなかった。それで、いつも組合の通帳は常にゼロだ。要するに、私は純粋に年金に頼っている老人である。

  テレビを観ると(映っていた時の話だが、何年も前のことではない)、今が老後である人間も、数十年先に老後となる人間も、競って、「老後が心配です」とカメラに向かって語っている。「老後は老後でなんとかなるさ」と答えた人間は、大勢いるはずなのに、編集で没となる。

  私は、敢えて言う。そんな風評にまどわされるなと、そして、老後は心配するな、と。

コメント

「老後」の話

小国寡民氏のものの見方は、すでにみなさま衆知のことと思います。さまざまある特点のうちでいい方から並べると、
私などとは違って<合理的な判断>ができること。2番目は
音の聞き分けができること(これは、「四声」という上げ下げのある言語で死活問題。これについては問題あり)。三つ目は如上の(1)がマイナスに作用する例で、日本の諺の「杓子定規」が当てはまります。加島祥三さん、最近刊の「求めない」で一般に知られたようですが、英文学者で、老荘についても詳しい人です。これ以降、再論します。

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