落書き電車を走らせるな
漫画は机に向かって読むものではない。文机の前に端座して読むものではない。
夏ならステテコ姿で扇風機に当たりながらごろ寝をして読むものである。冬ならこたつに足を突っ込んでごろ寝をして見るものである。あるいは眠りに入る前の気晴らしのためのものである。
白昼堂々と世間に顔を出すものではない。
かの有名なニューヨークの落書きだって地下鉄の電車である。アメリカは、与太者やゴロツキでさえその分限をわきまえている。
何も漫画が下等と言っているのではない。時と場所をわきまえなければいけないと言っているのである。
イブニングドレスを着て畑で大根を抜くか。畔を均してそのまま夜に泥の付いた長靴でオペラ劇場に行くか。
漫画を見ていないから想像するだけだが、今回の写真は座頭であろう。血色が悪くまるで死人である。人相も凶である。こんな落書きがまかり通って、観光客誘致に貢献しているのだから我が石巻も堕落したものだ。
ついでだから加えると、この座頭の等身大の人形が石巻商店街に立っている。薄気味悪いこと、はなはだしい。
漫画は面白い。しかし、過ぎれば俗悪となる。
落書き電車は俗悪の極みである。JRと落書き推進の賛同者に猛省を促す。