つい先日、最後の泳ぎをやったように覚えているのに、もう冬が終わろうとしている。徒然草の言葉が心に浮かぶ。
冬は、良いことが多い。先ず、ハチが休業している。特に、スズメ蜂は、スズメに申し訳ないくらい、嫌いである。人間、犬、猫、みんな、一度は被害に遭っている。私は、左腕がパンパンにはれて、病院嫌いで有名な私も、我慢できず、医師に助けを求めた程である。犬は、全身がむくみ、マント・ヒヒのあだなの飼い犬が大福餅のような顔になってしまった。縁の下でただうずくまっているだけで、まるまる4日過ぎた。4日目、水をわずかにでも飲んでくれた時の私の安堵感は大変なものだった。猫は、普通のハチのようだった。それでも、顔がむくんで、痛々しい限りであった。カミさんも島から逃げる少し前にやられた。これについては、あまり語らないことにする。
次に、ありがたいことといえば、蚊がいないことだ。私の家は、文才ある島民の一人からスズメのお宿の隣りといわれるように竹林の一軒家である。竹林の七賢が、当時、どのように藪蚊とのスターウォーズを戦ったのか、参考に知りたいと思うほどである。刺される前に皮膚感覚が目覚めればいいのだが、たいてい、かゆみを感じるのは、刺された後だ。It‘s too late!なにも、老人の薄い血を吸わなくてもよさそうにと思うが、島では、若い方だからしかたがない。その蚊が冬はいない。
次は、マムシと蛇がいないことである。彼らも休業中である。私のオーディオシステムは大いに自慢できるもので、ケーブル類は99.9999の純銅で統一してある。銅は銅色だが、皮膜は黒だ。しかも太い。ケーブルに紛れ込んでいる蛇の子供と間違える。夏は、だから、ケーブル類のセッテイングは控えている。青大将は、身の丈1間(1.8メートル)を超えるものがいる。昨年、処罰した青大将の勇姿をデジカメに収めたが、このブログでの公開はためらっている。
次は、夜空がきれいなことである。寒さでガタガタ震えながら、夜空を仰ぐのは一興である。月夜は、シュロの葉が月光で冴える。湿気がないため、月の光が1本1本の線のようになる。
そして、島一番の横着者の私にとって、なによりありがたいのが、草刈りをしなくていいことだ。鶏を60羽ほど飼っていた時は、300坪の敷地すべてが、土の表面であった。今、10羽、しかも高齢者ばかりなので、地面を活発にほじくらない。自然、竹や草の方が勢力を増し伸びていく。夏は、我が家は見事なまでに野草園となり、敷地内を歩くにも、棒で前をつっつきながら進まなければ、いつマムシや蛇を踏みつけるかわからない。冬は、自然の恩恵で、"自然”に地面が現れてくる。
思いついただけでもこれだけある。寒い地方といわれる東北で、冬を惜しむ気持ちが分ってもらえたであろうか。しかし、これで止めておく。あまり冬を惜しむと、天の神様に、「それほど、冬が惜しいのであれば、善人の手本のような小国寡民の願いだ、もう2ヶ月ほど、彼のところだけ、冬に留めておいてやろう」なんて気配りされかねないからである。

