大都市Aの周辺都市10箇所から道路を引いてくれと陳情団がくる。「わかりました」と道路を作る。そうすると、その10個所の一つひとつにまたその周辺の市や町10個所から自分のところまで、道路を延ばしてくれと陳情がくる。「わかりました」と道路を作る。ここまで計100本の道路ができたことになる。すると、100本を目の前にした住民が、あそこまで道路ができたのだから、それなら自分の玄関まで道路を作ってくれと、また末端当たり10件の陳情がでる。以下同文。その先は、隣りの町村とつながる道を作ってくれという陳情になる。最後は、日本全土が道路で覆われる。
このように、道路を作れば作るほど、陳情が等比級数的に増加する。
冬柴大臣が、地方の陳情で最も多いのが道路建設であると感に堪えぬ表情で、暫定税率の継続を訴えていた。自分の国交省が地方の声を一番よく知っていると言いたいのだ。陳情が多い理由は、単純な算数にすぎない。
もう一つの理由、これがまた始末におえない。それは、ゼネコン・土建業者の営業活動である。陳情そのものが彼らの営業活動なのだ。役所や外郭団体の窓口に日参すれば、役人は、悪い気はしない。私は一時カタログ印刷や広告を出す方の仕事に携わったことがあったが、打ち合わせのアポはこちら次第、つまらない話題にも喜んで乗ってくれる、盆暮れは、自宅にデパートから届け物がきまってくる。さすがに、盆暮れはなかろうが、役人だって、俗物の程度は私とたいして違いはあるまい、いい気分でいるはずだ。これが、あたかも住民の切なる願いと銘打った陳情となる。ガソリンの値上げを止めて欲しいと役場に陳情するヒマな民はいない。
今、自民・公明が政権の座からずり落ちる時を考えて、ブラック・ジャックのインシュランスよろしく、民主党にしきりにゼネコン・土建が擦り寄ってきている。あわよくば、道路建設の言質をとろうという魂胆がミエミエである。
冬柴大臣は頭が悪いから、陳情を鵜呑みにしても、止むを得ないが、民主党まで、一緒になって、頭を悪くする必要はない。民主党よ、暫定税率の廃止で、リッター当たり25円安くなる、・・・・もうこれ以上何も言わないで、民衆に向かえばいい。具体的な金銭表示はウソ・言い訳ができないことを、民はよく知っている。ポピュリズムなどと、地方商品券とやらを出した公明・自民に言う資格はない。陳情には「ハイハイ」と聞き流しておけばいい。
私は机上の空論が大嫌いである。道路の増殖についても、信じないようなら、宮城の牡鹿半島にお出ましくださればいい。昼間、いくら道路わきで見張っても、車の通行台数は、カウンターでカチ・カチ・カチだ。夜間は絶対に、鹿の通行量の方が多い。
道路は、金があればあっただけ需要が増える。それは、逆に言えば、金がなければないなりにやっていけるということでもある。昨日のブログで、防衛予算の1割と政党助成金で、暫定税率分を補えばいいと書いた。今日、それではとても補えないと知ったので、道路行政の本質を昨日の続きとして書いてみた。

