老いの一筆

昔、銭湯で年寄り連が湯船につかりながら、政治談義に花を咲かせていました。今は、私がその年寄り。世事・世相を飾り気なしに語り合う伝統を銭湯ならぬネットで守り続けたいと思います。

長寿国日本 ご同慶の至り?

 文章はそれ自体に意味があるので、読めばわかる。数字はそうはいかない。特に、統計には要注意だ。数字の意味と数字を出した意図の二つを考えなければならないからである。

 女子は世界一、男子は世界二、サッカー、オリンピックは言うまでもなく、中国には経済成長で後ろからあおられ、北朝鮮からは無視され、アメリカからはいい子だから大人しくしてねと国連で諭される。せめて、寿命だけでも、世界一に、と願う気持ちは、わからないではない。わかるが、無意味であることも同時にわかる。命は長さではない。長かろうが短かろうが、命は命である。

 数字が無意味なら、残りは数字を出した意図である。国威発揚なんて厚生労働省が考えるわけがない。少子高齢化の再確認を国民に求め、諸々の税の増加を納得させるためである。日本の医療制度が決して劣っていないことを国民に認めさせるためである。

 安倍首相率いる美しい国、日本で毎年3万人以上自殺していても、平均寿命にとっては統計的誤差の範囲でしかないといっているようなものだ。

 平均寿命の数字を見て、オレはもう5年も得をした、オラ、あと10年は生きられる、安心、安心なんて考える者は、いるかも知れぬが、考え違いである。

 くどくど言わぬ。優れた本があるからである。読みやすい上、厚生労働省の発表が、いかに、単純な計算で出来上がっているかがよく説明されている。大気汚染、化学物質入り食品、温暖化、子育てストレス、等々、まったくパレメータとして組み込まれていないこともよくわかる。

 その本とは、西丸震哉著「41歳寿命説」および「人生密度7年説」である。何十年も前の出版であるから、絶版となっているかもしれない。若い世代の人は知らないと思う。今、読んでも立派に通用する。それだけ、役人に進歩がないということでもある。たいていの図書館にはあるはずなので、是非、読んで見てほしい。他人の著書をあれこれ言わぬのが私の主義だが、いい本はいいのである。

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