この刑事は掏られたピストルで殺人事件が起きたことで、ノイローゼ気味になる。その時、ベテラン刑事が、「犯人は、君のコルトがなければ、ブローニングでやっただけだ」と、言った。これから観る人のために“言った”とだけにしておく。
悪いヤツは、物ではない、心である。私は、そうでないような気もする。銃の乱射事件は、アメリカではしばしば発生するし、発生すれば、一度に多数の死傷者が出る。凶器が木刀であれば、ありえないことだ。
手元に銃があれば、銃を使ってみたくなる心理を、兼好は知っていた。私は、盤石と尺八を常に脇に置いているのでよくわかる。
附:
銃の所持許可には、初めに試験があり(私の時は、4分の3位が落ちた。難しさは海事検定など比較にならない)、医師の精神面での診断書が必要で、加えて、手続きがうんざりするほど、仔細かつ複雑である。毎年、警察署での銃の確認がある他、以後3年ごとに、講習・試験および医師の診断書が必要となる。もちろん、保管は厳重を極める。
先日、暴発で子供が亡くなったニュースがあったが、所持者が医師であることに驚いた。銃と実弾は絶対に一緒に保管してはならない。更新講習の度に、教官が口を酸っぱくして繰り返すほど、重要なことだ。こういう事故が頻発すれば、標的射撃を趣味としている私まで、不幸に見舞われそうだ。
徒然草 第百五十七段
筆を取れば物書かれ、樂器をとれば音(ね)をたてんと思ふ。盃をとれば酒を思ひ、投子(さい)をとれば攤(だ)うたん事を思ふ。心は必ず事に触れて來る。かりにも不善の戯(たはむれ)をなすべからず。
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