老いの一筆

昔、銭湯で年寄り連が湯船につかりながら、政治談義に花を咲かせていました。今は、私がその年寄り。世事・世相を飾り気なしに語り合う伝統を銭湯ならぬネットで守り続けたいと思います。

顕  今年の漢字

  今年の漢字が“偽”と決まった。ピンと来ない。日本人の偽は今年に始まったことではない。ファッションやアクセサリーの世界では、一流のブランドに偽物はつきもの。偽物と言われていないが、似たようなものに、自動車・家電製品がある。他社の製品をただ自分のブランドをつけただけで、自社製品として、販売している。取り扱い説明書に、「お買い上げいただきましたこの自動車(あるいはテレビ)は、どこそこの製品をそのまま流用しています」と記すべきものだ。世間は、これを偽といわないが、私は偽という。超一流企業でさえ、こうであるから、何代も同族経営をしている所では、推して知るべしだ。偽は年中行事のようなもの。

  字の性格からみれば、偽は形容詞。活力が感じられない。やはり、動詞でなくては。

  そこで、私は、“顕”を今年の漢字に選んだ。顕在化、露顕の顕である。つまり、“バレる”。

  社内派閥抗争ではじかれた重役、クビになった平、条件に不満のあるパートのおばさん、今後、益々、隠蔽がバレる。企業における終身雇用・年功序列の崩壊の副産物である。

  反面、悪事がバレない組織は、この終身雇用・年功序列が温存されている組織である。その最大組織が、警察上部機構であり、外務省である。共通しているのは、これら二つが、パートのおばさんの入る余地がないエリート集団であることである。何百年の老舗の偽物騒ぎなんぞ、所詮、雑兵である。本丸にいつ“顕”の火の手が上がるか、・・・冬だというのに、「宵待ち草」の歌詞がつい口に出てしまう。

    顕(ケン)  (旧字体は顯)
     はっきりと見える
     はっきりわかる
     本性を外にあらわす
     明示されている  (藤堂明保編 学研漢和大字典)

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