老いの一筆

Fair is foul, and foul is fair – Macbeth Act 1 SceneⅠ・・・きれいはきたない、きたないはきれい

私の2016年 新しい家族 「愛」と子供

3年前にモモを失い、2年前にリッキーを失って、残ったメリーと二人きりの生活は火を消したようなものだった。

寂しさを紛らわすために、夢中になって本を読んだ。

4月に捨て猫がやってきた。玄関前にエサを置くと、カリカリ食べた。何回か繰り返しているうちに、ノコノコ家の中に入り込んできた。

夜もベッドの上で寝るようになって、「愛」と名付けた。

7月に物置小屋の縁の下でお産。何匹産んだのか分からないが、オス1匹とメス1匹が加わった。

それからは、モモとリッキーの祥月命日に飲んでいた酒を誕生日に換えて、生誕を祝うようにした。

どういう死に方をしようが、この世に生を受けただけで、十分めでたいと思うようになったためである。

今は夜昼構わず、突然賑やかになる。

2016年はいい年だった。

愛

私の2016年 白内障の手術

朝8時半集合とのことで、連絡船の到着では間に合わず、前日に近くのホテルに泊まって、6月3日両眼の手術を受けた。

集合という言葉を使ったのは、19人がその日に1人の医師から受けると聞いたためである。

ネットの検索で、手術にかかる時間はわずか20分前後とは知っていたが、1日に19人の執刀とは驚いた。看護師に驚いたと話したら、「先生は昼ご飯抜きですよ」と特別に多いということではないそうだ。碁でも2時間も続けると、終わりには頭が働かず勝敗などどうでもよくなってしまう私は、ミリ単位の手術を19人、38個の目を1個の失敗もなく手術をする先生の体力と集中力には頭が下がるばかりであった。

控え室で白衣をすっぽりかぶせられた。周りの18人を見ていると、映画「ミシシッピー・バーニング」と映画「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のワン・シーンが連想された。

手術台はなく、歯医者にあるような椅子に座ると、あっと言う間に片目が終わり、もう片一方はもっと速く済んでしまった。

医師にお礼を述べたら、「バッチリですよ」と言われた。

ホテルに歩いて戻り、ベッドに横になって、一大事業を完遂したような気分になってうとうとしていたところ、夕方、看護師から状況確認の電話が入った。「ぼんやり見えるのですが」と答えたら、痛みや歪みがなければ、翌日には正常になるので、問題ないとのこと。

その通りで、バイロン卿の「一朝目覚めれば~」の句を思い出した。

それでは、BeforeとAfter:

1. 遠近感:
私の裏山書斎は林の中の狭い空き地で四方が木立に囲まれている。術前は平面的に並んでいただけの木々に遠近感がでてきた。

2. コントラスト比:
120インチスクリーンに投射される映像の黒が灰色に見えていたのが、深い黒になった。ブルーレイはもちろん、従来のDVDもそれに劣らずよく見える。

3. 印字:
インクの節約ではないかと疑った位薄い印字が、鮮明な黒であることが分かった。以前のこのブログで、大修館の新装大型版新漢和辞典を非難したことがあったが、非は私にあったのだ。申し訳ない。ここでお詫びさせて頂く。

細かい字の辞書はいったんバラして、A4にコピーして使っていた。
 OALD、
 LCDE、
 PAX、
簡明中国語辞典、
OALD英中版
Collins Latin-English Dictionary

辞書だけではない、書籍も拡大した:

聊斎志異 柴田天馬版
Merriam-Webster’s Vocabulary Builders
英詩百選
英文解釈考
漢詩百選
百人一首
学燈文庫の孔子・老子・荀子

術後これらの原本を開いて見たら、そのままで十分読めるではないか。

どれほどの時間と労力がかかったここか。

今は、WTIDと自分で勝手に略しているWebster’s Third New International Dictionaryも苦労せず読んでいる。

4. 水道水:
朝、顔を洗う時に両手で水をすくう。その透明度に驚いた。前を思い出すとゼリーのような感じだった。

5. 青空書斎での読書:
夏は原っぱが書斎である。紙面が眩しくてなかなか読む方に集中できなかった。夕方、陽の光が弱くなってようやく本腰を入れて読んだものだった。今は、サングラスをかけて読書三昧に耽ることができる。

5.デスクスタンド:
インバーター蛍光灯スタンドを左右に備え、かつLEDランプを中央に置かなければ長く読めなかった。今は、左に27Wのインバーター一個で十分である。

6. DLの費用:
NETのfree textのDL は14pに設定したが、それでも灰色の活字には悩まされた。DLはA4なので、それに使われた用紙とインクの費用は大変なものだった。

アンナ・カレーニナ (英訳)
戦争と平和 (英訳・中訳)
ジャン・クリストフ (英訳・中訳)
誇りと偏見(原文・中訳)
アラビアンナイト (英訳・中訳)
モーム 短編65編 ほか数編
ガリバー旅行記
ロビンソン・クルーソー
聊斎志異 (原文・口語訳)
ほか多数
今もDLは続けているが、12pで十分である。14pはどうも間が抜けてみえるので、(喉元過ぎた!)全部12pに印刷し直そうかと思っている。

7. 天の川:
私の家は部屋から星空を眺めることができる。街灯も隣家もないので、自分の家の電気を消せば、天体観測ができる。術前も天の川は見えたが、縁がぼんやりしていた。今は、はっきり境界がわかる。これはまた格段に嬉しいことである。

8. ご飯:
米粒、一つひとつがはっきり見える。子供の時に覚えた銀シャリという言葉を今になってようやく実感することができた。

英語に健康は失って初めてそのありがたみがわかるということわざがあったように思う。白内障は徐々に進行するから失うという感覚はない。手術を受けて、初めて正常のありがたみがわかる。

今年はいい年だった。

北方領土 ニェットだけは言わないで。

日露首脳会談が近く行われるという。

北方領土の返還を安倍首相は主題にすると豪語していた。

雲行きが怪しくなった。

評論家やマスコミは「怪しくなった」と言っているが、怪しいなんてものではない、見込みがゼロになったのだ。

ゼロになったという言い方は正確ではない。

敗戦によってソ連の管理下に置かれた瞬間から、ゼロなのである。

歴代の総理大臣は、これを知ってか知らずか、決して深入りしなかった。

ところが、圧倒的人気で気をよくした安倍先生、海外でも人気が通用すると自信満々だった。

やれ一括返還だのやれ暫時2島返還だの、うるさいほどマスコミも野党も騒いだ。

野党は褒め殺し策だからわからないでもないが、マスコミは大衆を惑わした。

かれらの罪は重いが、これもわからないでもない。それで食っているのだ。

外務省のフィーリングで、返還は話題にできないことを知った安倍先生、いまさら、「やっぱりダメでした、ごめんね」と大衆に頭は下げられない。

プーチン先生を追い詰めれば、「ニェット(ノー)」が返ってくる。

これはあってはならい。そこでコミュニケというリップサービスである。

曰く:

「領土問題は引き続き友好的雰囲気を堅持しつつ両国間で検討する。別途経済協力は発展させる、云々」

その心と言えば、

安倍(以下敬称略):「プーチン先生、ニェット(ノー)だけは勘弁してくださいよ」
プーチン:「いいとも、その代わり何をしてくれるのかね」
安倍:「ざっと100億円規模の経済協力を用意しますよ」
プーチン:「ハラショー(グッド)」
安倍:「(どうせ日本の企業にカネがいくのだから、内閣支持率急落を思えば、安いものだ)スパシーバ(サンキュー)、スパシーバ(サンキュー)、寿司食いねえ、寿司食いねえ」

プーチンは疑似餌で安倍を引っ掛けたつもり、安倍は疑似餌に引っ掛かったつもり。

めでたし、めでたし。

注:プーチンはノーと言う気はありません。北方4島は疑似餌、美人局ですからね。

北方領土 鈴木・佐藤対談

今日、夕食後ネットを開いたら、対談が載っていた。

私には何を言いたいのかさっぱりわからなかった。ヌラリクラリ、隔靴掻痒とはこの二人の対談のことではないか。

たぶん、対談のご両人も、自分が何を言っているのか、分かっていないだろう。

アメリカの大統領が誰になったから、どうのこうのは、評論家の逃げ口上だ。

要は、北方領土が返還されるのか否か、これに尽きる。

詳しくは、週刊誌を読みなさいとあった。

読むまでもない。

監獄まで入った人間だから、どんなにまともに変身したのか興味が少しばかりあったから、ネットを開いたが、データ使用量が減っただけの損だった。

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