老いの一筆

Fair is foul, and foul is fair – Macbeth Act 1 SceneⅠ・・・きれいはきたない、きたないはきれい

牆上密排坎窞  ‐ 聊斎志異

牆上密排坎窞

牆(へい)の上には鐵の刺(はり)がびっしり排(なら)んでついてゐた(柴田訳)

私の聊斎志異

ステップ1 繁体字訳を軽く読む(大体の筋が分かる程度が私の限界)
ステップ2 原文の朗読を無料ネットで聴く(さっぱり聞き取れません)
ステップ3 原文を見る
ステップ4 原文を見ながら、朗読を聴く(読めない字に発音記号をつける)
ステップ5 繁体字訳を精読する(単語の書き出し)  
ステップ6 簡体字訳を精読する(同上)
ステップ7 柴田訳を対照しながら、原文を精読する(同上)
ステップ8 単語ノートの作成(後日に回すことが多い)

今朝もこの工程表に従って、《狐女》を読みました。

そして、「牆上密排坎窞」の所では、クライミングウォールの原型を見たようで愉快になりました。

しかし、最後の柴田訳で、アレレ。

坎窞を刺に替えて訳した説明が添えてありました。

註(四)原文には坎窞とあるが、坎窞は穴で、牆上にあるべきでない。多分誤寫であらうと思ひ、刺としておいた。忍び返しなのである。

「上」(shangの4声)は、日本語の上の意味を含めて、英語の「on」です。

講談社中日辞典に、好例が載っています。

墙上挂着结婚照 (壁には結婚の記念写真が掛けてある)

朗文英漢双解活用辞典(Longman Active Study English-Chinese Dictionary)には、
「on」  touching, supported by, hanging from, or connected with
    在・・・上
     a lamp on the table/the wall 卓上/墙上的一盏灯

穴と訳すよりくぼみと訳す方が適切かもしれません。

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狐女(原文) 

  伊袞,九江人。夜有女來,相與寢處。心知為狐,而愛其美,祕不告人,父母亦不知也。久而形體支離。父母窮詰,始實告之。父母大憂,使人更代伴寢,兼施敕勒,卒不能禁。翁自與同衾,則狐不至;易人,則又至。伊問狐。狐曰:「世俗符咒,何能制我。然俱有倫理,豈有對翁行淫者!」翁聞之,益伴子不去,狐遂絕。後值叛寇橫恣,村人盡竄,一家相失。伊奔入崑侖山,四顧荒涼。日既暮,心恐甚。忽見一女子來,近視之,則狐女也。離亂之中,相見欣慰。女曰:「日已西下,君姑止此。我相佳地,暫創一室,以避虎狼。」乃北行數武,遂蹲莽中,不知何作。少刻返,拉伊南去,約十餘步,又曳之回。忽見大木千章,繞一高亭,銅牆鐵柱,頂類金箔;近視,則牆可及肩,四圍並無門戶,而牆上密排坎窞,女以足踏之而過,伊亦從之。既入,疑金屋非人工可造,問所自來。女笑曰:「君子居之,明日即以相贈。金鐵各千萬,計半生喫著不盡矣。」既而告別。伊苦留之,乃止。曰:「被人厭棄,已拚永絕;今又不能自堅矣。」及醒,狐女不知何時已去。天明,踰垣而出。回視臥處,並無亭屋,惟四針插指環內,覆脂合其上;大樹,則叢荊老棘也。


卷十一 狐女(簡体字訳)
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墙上密密麻麻地排满了坑窝。狐女踏着这些坑翻墙进入亭内,伊袞也跟着进去。
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狐女 卷十一 第廿三篇(繁体字訳)
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倒是牆上密密麻麻排著小洞。狐女就踩著小洞過了牆,伊袞也學著她的樣子過去了。
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聊斎志異 - 「夏屋」 巻十一 黄英

夏の発音は -

中日大辞典 xiaの4声とjiaの2声。
講談社中日 xiaの4声。
現代漢語 xiaの4声。
廣漢和 xiaの4声。

厦(廈)の発音は -

中日大辞典 xiaの4声とshaの4声。
講談社中日 xiaの4声とshaの4声。
現代漢語 xiaの4声とshaの4声。
廣漢和 xiaの4声とshaの4声。

中国語は発音が同じであれば、似たような漢字を充てることがよくありますが、廈が大きな建物の意味の場合はshaです。また夏にshaはありません。

このことから、原文の夏は廈とは互いに独立していると思います。


夏屋 廣漢和 ③広大な家屋
厦(廈) 講談社中日 大きな建物
厦屋 中日大辞典 大きな家

付:
厦が大きな建物を意味するときは、shaです。xiaは厦門(アモイ)に使われます。


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巻十一 黄英

原文
踰歲,春將半,始載南中異卉而歸,於都中設花肆,十日盡售,復歸藝菊。問之去年買花者,留其根,次年盡變而劣,乃復購於陶。陶由此日富:一年增舍,二年起夏屋。

簡体字口語訳
去年从陶生家买菊花保留了花根的,第二年都变成了劣种,就又来找陶生购买。陶生从此一天天富裕起来。头一年增盖了房舍,第二年又建起了高房大屋,

繁体字口語訳
上一年買花的人留下花根,第二年都變壞了,就又向他購買。他因此一天天富起來。頭一年建新房,第二年蓋大樓。

柴田訳 二年目には廣大な厦屋(すまひ)を建てた


聊斎志異 《何仙》 ― 原文、口語訳、柴田訳

全12巻の第10巻に入っています。

ネットの朗読に原文がることを知って、第9巻から読み方を変えました。

ステップ1: 朗読を5~6回、繰り返し聴く。
        読めない字に発音を振っておく。
        おぼろげながら、文章全体のイメージが取れる。
       
ステップ2: 原文を読む。
        新字(忘れた字も含む)を辞書で引く。
        ただし全部は引かない。多くて10個程度に留める。

ステップ3: 簡体字白話訳を読む。
        発音の確認を主として辞書を引く。

ステップ4: 繁体字白話訳を読む。
        訳し方を白話訳と比較する。

ステップ5: 柴田訳を読んで自分の取り方の間違いや読み落としをチェックする。
       
第1巻からここまで、ステップ2(ステップ1は無かった)で、話の中身の90%以上、悪くても80%は理解できました。

そして、テップ3でほぼ100%、私自身が納得できる程度までには上げられました。

しかし、この《何仙》は、ステップ2で50%、ステップ4でも80%です。

何度ステップ3とステップ4を往復しても、もやもやが消えません。

ステップ5で、ようやく100%達成。

今日ほど、柴田訳を丁寧に読んだことはありませんでした。

付:
1.漢語古文は字1個がピース1個のジグソーパズルです。センス(連想力・想像力)の悪い者には時間ばかり食われる遊びです。
2.作者のコメント「異史氏曰」が柴田訳にありません。訳者は、興ざめの部分だとし、意図的に削除しています。惜しいことです。
3.日本語と違う意味になっている漢字は、ステップ6として廣漢和で調べることもあります。
4.科挙に落ちた作者の恨み節がここの異史氏曰にも表れています。
5.理解に3時間半、ブログに30分。センスの悪さが光ります。

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何仙 巻之十
  長山王公子瑞亭,能以乩卜。乩神自稱何仙,為純陽弟子,或謂是呂祖所跨鶴云。每降,輒與人論文作詩。李太史質君師事之,丹黃課藝,理緒明切;太史揣摩成,賴何仙力居多焉,因之文學士多皈依之。然為人決疑難事,多憑理,不甚言休咎。辛未歲,朱文宗案臨濟南,試後,諸友請決等第。何仙索試藝,悉月旦之。座中有與樂陵李忭相善者,李固好學深思之士,眾屬望之,因出其文,代為之請。乩註云:「一等。」少間,又書云:「適評李生,據文為斷。然此生運氣大晦,應犯夏楚。異哉!文與數適不相符,豈文宗不論文耶?諸公少待,試一往探之。」少頃,又書云:「我適至提學署中,見文宗公事旁午,所焦慮者殊不在文也。一切置付幕客六七人,粟生、例監,都在其中,前世全無根氣,大半餓鬼道中游魂,乞食於四方者也。曾在黑暗獄中八百年,損其目之精氣,如人久在洞中,乍出,則天地異色,無正明也。中有一二為人身所化者,閱卷分曹,恐不能適相值耳。」眾問挽回之術。書云:「其術至實,人所共曉,何必問?」眾會其意,以告李。李懼,以文質孫太史子未,且訴以兆。太史贊其文,因解其惑。李以太史海內宗匠,心益壯,乩語不復置懷。後案發,竟居四等。太史大駭,取其文復閱之,殊無疵摘。評云:「石門公祖,素有文名,必不悠謬至此。是必幕中醉漢,不識句讀者所為。」於是眾益服何仙之神,共焚香祝謝之。乩書曰:「李生勿以暫時之屈,遂懷慚怍。當多寫試卷,益暴之,明歲可得優等。」李如其教。久之署中頗聞,懸牌特慰之。次歲果列前名,其靈應如此。

  異史氏曰:「幕中多此輩客,無怪京都醜婦巷中,至夕無閒床也。鳴呼!」


聊斎志異 ― 蠟燭一百八,銀朱一千八。

中国語の数え方は日本語と違います。

一百八は180、一千八は1800です。108は一百零八、1008は一千零八となります。

初級中国語の時間に習いました。

それなのに、なぜか柴田訳は百八、一千八のままになっています。

口語訳が原文のままであるのは、中国人が対象ですから当然です。

でも、日本人向けの訳では、百八十、千八百であるべきではないでしょうか。

これからしばらく悩みの種となります。

付:
百八と一を除いているのは、日本語として扱っている証拠です。

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鳥語 巻之九

原文
答曰:「今日所言,不與前同,乃為明公會計耳。」問:「何計?」曰:「彼云:『蠟燭一百八,銀朱一千八。』」令慚,疑其相譏。

白話簡体字
道士说:“今天它们说的同以前不同,它们在为您算帐呢!”县令问:“算的什么帐?”道士说:“它说‘蜡烛一百八,银珠一千八。’”县令很羞惭,怀疑道士在故意讥讽他。

白話繁体字
道士說:“鴨子今天所說的,與以前不一樣,是在替大人算帳呢。”縣令問:“算什麼帳?”道士說:“它們在說:‘蠟燭一百八,銀珠一千八’。”縣令感到很慚愧,懷疑道士是在譏笑自己。

10月1日 ― 朗文英漢 ― 一挙両得

気分としては、9月1日が下期の初日ですが、正式には10月1日。また新たな気分になります。

今日から、ドン・キホーテと英単語の復習に使うことにしました。

使うのは朗文英漢双解活用詞典です。

  inveigh   ― 不記載 
   fraudulent   欺骗性的; 欺诈的; 骗得的
  curdle     (使)结成凝乳; (使)凝结
  dropsy      ― 不記載 

収容語数38,000の学習用辞典であるため、不記載が多いのは仕方がないことです。

出ているものは優先して覚える、出ていないものは後回しにするという方法を取るつもりです。

中国語に微弱電流を流せるのがありがたいです。

ついでに、今日読んだ所から、面白い文句をピック・アップしてみました。

Chapter XX

Ambition breaks not thy rest, nor doth this world’s empty pomp dusturb thee,~

The servant sleeps and the master lies awake thinking how he is to feed him, advance him, and reward him.

On a good foundation you can raise a good building, and the best foundation in the world is money.

As grandmother of mine used to say, there are only two families in the world, the Haves and the Haven’s.

Chapter XXⅡ

If you take a good woman into your house it will he an easy matter to keep her good, and even to make her still better; but if you take a bad one you will find it hard work to mend her, for it is no very easy matter to pass from one extreme to another.

“Thou hast said more than thou art aware of, Sancho,” said Don Quixote; “for there are some who weary themselves out in learning and proving things that, after they are known and proved, are not a farthing to the understanding or memory.”

Now indeed do I know that all the pleasures of this life pass away like a shadow and a dream, or fade like the flower of the field.

ヘンリー8世、フォルスタッフ、黄粱一炊夢、悪妻論、等々、続出。

ドン・キホーテは、読めば読むほど味が出る本です。



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